2010年10月10日日曜日

高槻市に児童相談所がほしい

 高槻市の支援学級に通う児童、支援学校に通う児童は年々増えている。

 今日は肢体不自由児、知的障害児、発達障害児に分けて考えてみたい。

 重度の肢体不自由児の場合は、生まれて間もなくから医療を受けていることが多く、小児科医師を主治医にもっている方も多い。ただ、いくらいい医師がそばで診てくれても、その病院に小児を訓練した経験のある理学療法士、ボイタやボバースの訓練法について最新の知見をもっている訓練士がいないと上手く訓練が出来ないし、小児科と小児整形外科の連携が上手く図れていないと適切な手術の機会を失ってしまう可能性もある。嚥下などに問題がある場合は言語治療士の援助も必要になってくる場合がある。主治医が遠くに離れておられるような場合は家庭医も必要になってくる。てんかん科との密接な連携が必要な場合もある。保健師やセラピストの役割も重要だ。要はこうした肢体不自由児とその保護者がもつであろう児童期、特に乳幼児期の様々な問題に親身になって、家庭の条件も考えながら、専門的、具体的に答えてくれる身近な相談機関が是非とも必要なのである。

 知的障がいの場合は、重度の場合やてんかんをもっている場合は主治医をもっている方も多い。てんかんが続く場合は主治医もそのままになることが多いが、てんかん発作の抑制が順調だと主治医を失い、援助を受けるリーダー的役割を担ってくれる専門家を失ってしまう場合がよくある。小児科の主治医がいても、あくまでも主治医はリーダーであって、その子の乳幼児期の早期療育をどういうかたちで進めていくかは、セラピストや療育の専門家や保育士なども含めた総合相談の中からより適切な進路を見つけ出していく必要がある。さらに、自閉症などの広汎性発達障害が合併している場合も考えられるし、小児科医の診察だけではなく児童精神科医の適切な診断を受け、早期からより専門的なプログラムの導入など検討する必要も出てくるだろう。
 軽度の知的障がいの場合は、保健所の健診で発達に困難のあるケースとして継続指導される場合が多い。多くは言葉の遅れの問題として現れる。この場合はてんかん等がない限り主治医をもたないことも多く、保健師や健診の事後指導を担当するセラピストの役割が重要になってくる。この場合も広汎性発達障害を伴っている場合も多く、いつまでもセラピストの指導に任せて児童相談所や医療機関への紹介の機会を失ってはいけない。こうしたケースは保護者の児童本人の問題についての受容を得られることが難しく困難な対応を迫られるケースも多い。

 こうした児童のうち、今一番困難を抱えているのが、発達障害をもつ児童の相談の問題である。こうした児童を専門的に診てもらえる診療機関が高槻近辺で皆無に近いのだ。大阪医大も数ヶ月待ちと聞く。通所施設の専門家に聞いても明確にここに相談に行ったらという人にいまだ私自身会ったことがない。皆さんおっしゃる最終回答が、せいぜいがお隣の枚方市にある大阪精神医療センター内の松心園くらいなのである。(私の答えも京大病院くらいになってしまうが受診することが大変だろう)

 長々と障がいのある児童の問題について書いてきたが、要は身近に障がいのある児童の相談機関がほしいということである。その名前は児童相談所。それも医療部門を充実した児童相談所がほしいのである。大阪府の児童相談所は吹田にあるがこれでは遠すぎる。是非地元高槻にほしいのである。本来は都道府県と指定都市におかれる相談所であるが、2006年から中核市でも設置することが可能になった。石川県金沢市、神奈川県横須賀市では既に設置されているのである。児童相談所が高槻でも設置できるこのことを知っている人自体がまだまだ少ないだろう。もっともっと知ってほしい事柄なのである。

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