テレビの画面に映る東北地方の悲惨な現状を見ていると言葉もない。特に不明者が多いのが最も気にかかる。
原発の今後のゆくえも心配だ。止める、冷やす、閉じ込める、どれ一つとして対処できなかった東電と国の原子力安全委員会の責任は大きい。ネットによると福島原発の想定津波は70㎝だったとか。そこへ10メートル近い(すぐ北の南相馬市で記録)津波が来たのだから安全装置が働かないのも当たり前だ。
地震や津波は自然災害ですが、「便利」だけを考えたまちづくり、危険を承知で建設した原発事故は明らかに人災で、その責任は重大だ。
東京電力は明日から計画停電らしいが、これはどうも計画原発キャンペーンのような気がしてならない。
今日仕事が終わってから梅田の清風堂に行って、わかりやすい原子力発電の本を買ってきた。「隠される原子力 核の真実」、京大原子炉実験所の小出裕章助教の昨年12月出版の本だ。
この本の第9章、「原子力からは簡単に足を洗える」では、電力の約30%が原子力で供給されていて、ほとんどの日本人は原発を廃止すると電力不足になると思っているが、発電所の設備能力で見ると原子力はわずか18%であり、それが30%になるのは原子力発電所の設備能力だけを引上げ、火力発電所のほとんどを停止させているからと書かれている。なんと、原子力発電が生み出す電力を、火力発電で全てまかなったところで火力発電の設備利用率は70%にしかならず、今なら何の苦痛も伴わずに原子力から足を洗うことが出来るとのことだ。
この知識一つ得られただけでも、原子力=核の基礎的知識の得られるいい本だった。
電力の融通が何とかならないのかと調べてみたが、これも西日本と東日本では周波数の違いから100万キロワット前後とか。ここでも柏崎刈羽の経験が生かされておらず、そのまま設備は改善されていないことがわかった。
それにしても、阪神大震災の教訓が生かされていない。私自身も公務員だったが、菅内閣が12,13日と土日に渡って公務員と公共設備、備品を眠らせたことには何としても悔いが残る。何のための公務員か、非常時のためにこそ公務員はいるのではないか。少なくとも私が公務員だった時代は、みんなが帰れるときは帰れない仕事と教えられたがそんな時代は過ぎ去ったのだろうか。
ただただ被災された方にお見舞い申し上げるとともに、私自身も守る会とともに義援金をつのるなど何らかの行動をし始めなければならない。
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