2010年7月11日日曜日

参議院選挙に思う

 参議院通常選挙の開票速報が傍らで流れている。

 どうやら、私の投票した候補は1人は落選、もう1人は落選確実だ。

 私自身は、今回の選挙については、争点は護憲か改憲かの憲法問題であり、民主党の動きに一喜一憂するのではない自民党を四分五裂させる闘いだと訴えてきたから、結果には不満足この上ない。

 しかし、前進面もある。一つは投票率が最近一定の水準を維持するようになってきていることである。これは、国民の生活が逼迫し、その原因を政治に求め、よりよい政治のあり方をめざして票が流れていることを示していると思う。一時期投票率の低下が気になったが、この投票率の維持は大きな国民の意識変革の表れであり大いに歓迎したいと思う。
 もう一つは、投票行動の表れとして、時の政権が国民民衆の意に沿わない施策を実行しようとすれば、必ず審判を受けるということがはっきりしたことだ。昨年私たちは自公の暗黒政治に審判を下したことがこのことを端的に物語っている。
 この間、民主党を中心とした3党連立政権は、平成22年度予算で多くの施策を実行したが、民主党マニフェストに書かれていたもののうち、老人施策についてはことごとくその施策の実行を裏切った。後期高齢者医療の廃止延期しかり、公的年金控除の増額措置や老年者控除の復活はなされなかったことである。市民税、国保料、介護保険料、後期高齢者医療と目減りが続く年金受給額に、消費税10%と来れば、多くの年金受給者は民主党政権にそっぽを向いてもおかしくない。障害者が一致団結して「障害者自立支援法の廃止」を勝ち取ったように、老人を無視した施策を強行しようとしたことに老人が大きな反発を持ったことは間違いない。

 老人福祉の理念は「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする。」ということだが、今の民主党政権はこの理念を忘れてしまったのである。「誰が今のニッポンをつくってきたかわかってんのんか」という声を私の周囲ではよく聞く。この声に民主党が答えられず、適切な対応がとれなかった。これが民主党の敗因の一つである。これまでの老人と違って、現代を生きる老人ははっきりとものを言い、行動する誇り高い老人なのである。このことは民主党に限らず、全ての政党が肝に据えておいてほしい事柄である。

 さてこれからどうするか。結果は結果である。どういう政権が出来上がるのか私には予測できないが、どんな政権が出来たとしても、国民民衆の要求実現のため団結を強め、時の政権党を要求で包囲していく、そういう運動を強めていくとしか言いようがない。世の中そんなに簡単に変わるものではない。あきらめることなく粘り強い闘いを継続するしか私たちには方法はない。私たちの要求を実現しない政権党には手痛い敗北を喫してもらう以外にないのである。

 管総理の記者会見が始まった。冒頭の話で、「消費税問題は唐突だったが、決して議論まで封じられたと言うわけではない」と語った。何ともはや脳天気な首相である。選挙結果を国民目線で見られない。そんな脳天気なことを言って自民党に近づいていったら、国民民衆はもっときついお灸をすえることになりますよ。菅さん!

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